「せっかく子どもを撮ったのにブレてしまった」「ペットがカメラを見た瞬間、もういない…」
動きのある被写体を撮るのは、風景やポートレートよりも難易度が高くなります。
でも安心してください。ポイントさえ押さえれば、動く被写体でもしっかりピントを合わせて、ブレずに撮影することができます。
この記事では、子ども・ペット・スポーツといった動きの速い被写体に対応する撮影設定とテクニックを、初心者向けにわかりやすく解説します。
なぜ動く被写体は難しいのか?
動体撮影が難しい主な理由は以下のとおりです:
- ・被写体が動く → ピントが合いにくい
- ・速いシャッターが必要 → 明るさの確保が必要
- ・動きの予測が難しい → タイミングが合わない
つまり、ピント・明るさ・タイミングを的確にコントロールする必要があります。
基本設定:シャッタースピードが命
動く被写体に対して、最も大切なのがシャッタースピード。速くすることで、ブレを抑えることができます。
被写体 | 目安のシャッタースピード | 補足 |
---|---|---|
歩く子ども | 1/250秒〜 | 屋外なら安心 |
走る子ども | 1/500〜1/1000秒 | 瞬間を止めたいなら1/1000 |
犬・猫 | 1/1000〜1/2000秒 | ジャンプなどは1/2000秒が理想 |
スポーツ(屋外) | 1/1000〜 | サッカー・野球など |
スポーツ(屋内) | 1/500〜1/800秒 | 明るさに注意 |
シャッター優先モード(S/Tvモード)を使えば、シャッタースピードを固定して撮影が可能です。
AF(オートフォーカス)モードの使い分け
被写体が動いていると、フォーカスが追いつかずにピンボケすることがあります。そこで重要なのが、AFモードの選択です。
■ AFモードの種類と使い分け
- シングルAF(AF-S/One-Shot AF):静止被写体向け
- コンティニュアスAF(AF-C/AIサーボAF):動体撮影向け
- AF自動切換え(AF-A/AIフォーカスAF):被写体の動きに応じて切り替え
動いている子どもやペットには、AF-C(AIサーボAF)が基本です。常に被写体の動きに合わせてピントを合わせ続けてくれます。
■ フォーカスエリア設定も重要
動き回る被写体には、ゾーンAFやワイドエリアAFが便利です。
顔・瞳検出が使えるカメラであれば、瞳AFをオンにすると追従性が向上します。
ISO感度と絞りの調整
シャッターを速くすると、写真が暗くなりがち。その分をISO感度や絞りで補います。
- ・ISOは800〜3200程度を目安に
- ・レンズの絞りはF2.8〜F5.6あたりが使いやすい
ノイズが気になる場面では、ノイズ除去設定やRAW現像での補正も有効です。
実践テクニック:状況別の撮り方
■ 子どもを撮る
- ・走る前の“スタート直前”を狙うと止まりやすい
- ・表情を重視するなら顔にしっかりピントを
- ・連写モードを使ってベストショットを選ぶ
■ ペットを撮る
- ・おもちゃや声で“目線”をコントロール
- ・低い姿勢から撮ると臨場感アップ
- ・瞳AF対応カメラで目をしっかり写す
■ スポーツを撮る
- ・被写体を追いながら構図を調整(パン撮影)
- ・連写+動体追尾AFで一瞬を逃さない
- ・背景が抜ける場所を狙うと主役が際立つ
おすすめの撮影モード
- ・シャッター優先モード(S/Tv) → 動きを止める
- ・スポーツモード → カメラ任せでまずは簡単に
- ・マニュアル露出 → 慣れてきたら細かく調整したい人向け
まずは「シャッター優先」で、ブレずに止まった写真を撮ることを目指しましょう。
その他の便利機能
- ・プリAF/被写体認識AF → 先回りしてピントを合わせてくれる
- ・タッチシャッター → 被写体に素早くフォーカスしてシャッター
- ・被写体追尾機能 → 人物やペットの動きを検知して追尾
まとめ:動体撮影は「スピード」と「追従」がカギ
子ども、ペット、スポーツ──動きのある被写体には、速いシャッターと高性能なAFが必要不可欠です。
連写モードやAF-C、ISO感度の調整などを組み合わせれば、初心者でもしっかり動きを止めた写真が撮れるようになります。
そして、シャッターチャンスを逃さないためには練習あるのみ!
ShutterSparkでは、これからも実践的な撮影ノウハウをお届けします。ぜひ、動きのある瞬間もあなたの手で残してみてください!