初心者がやりがちなレタッチ失敗例とその修正方法

編集・レタッチ
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初心者がやりがちなレタッチ失敗とは?

写真編集を始めたばかりの頃、誰もが一度は通る道があります。
それは「やりすぎ」――編集ツールを使って色やシャープさを足していくうちに、いつの間にか不自然な仕上がりになってしまう状態です。
この記事では、特に初心者がやりがちな5つの失敗例と、それをどう修正すればよいのかを解説します。

よくあるレタッチ失敗例と修正方法

失敗例① 彩度の上げすぎで色が不自然に

症状:
色がビビッドすぎて、現実離れした印象になる。特に肌がオレンジや赤に傾きがち。

原因:
「彩度」や「自然な彩度(バイブランス)」を大きく上げすぎること。

修正方法:
彩度を下げ、代わりに個別色調整(HSL)で特定の色だけを調整する。ポートレートでは肌色(オレンジ系)の彩度を控えめにするのがポイント。

失敗例② シャープ・明瞭度の過剰で不自然な質感

症状:
ディテールが強調されすぎて、髪や肌がざらついた質感に。特にポートレートで顕著。

原因:
「シャープ」「明瞭度」「テクスチャ」などの効果を過剰に適用。

修正方法:
シャープ・明瞭度を控えめに。肌の質感は「明瞭度」より「テクスチャ」を微調整する方が自然。
ポートレートの場合は「ノイズ軽減」や「スムーズ肌補正」(アプリによって名称が異なる)を併用するのがおすすめ。

失敗例③ 明るさとコントラストのバランス崩壊

症状:
明るさを上げすぎて白飛び、または暗くしすぎて黒つぶれ。さらにコントラストを上げて階調が破綻。

原因:
「露出」「コントラスト」「ハイライト・シャドウ」をバラバラに操作してバランスを失う。

修正方法:
まずハイライトとシャドウで極端な部分だけ調整。次に全体の明るさ(露出)を微調整。最後にコントラストを軽く加える。
ヒストグラムを確認しながら操作すると、明暗の破綻を防げます。

失敗例④ トーンカーブの使いすぎで不自然な印象に

症状:
S字カーブが極端すぎて、コントラストが不自然に。特にシャドウが潰れ、ハイライトが飛びやすい。

原因:
「とりあえずS字にすれば良い」と思って過度にカーブを引きすぎる。

修正方法:
ゆるやかなS字にとどめ、カーブの角度を浅くする。シャドウとハイライトの情報が残るように調整。
また、RGBチャンネルごとの調整は極力控えめに。

失敗例⑤ ノイズ軽減のかけすぎでディテールが消失

症状:
画像がのっぺりとしてしまい、立体感やディテールがなくなる。

原因:
高感度ノイズを消そうと「ノイズ軽減」を過度に適用。

修正方法:
ノイズ軽減は最小限に。シャープネスとバランスを取りながら調整する。
可能であれば、元画像でISO感度をできるだけ低く撮影しておくと、編集時に過度なノイズ軽減を避けられる。

レタッチの鉄則:足し算より引き算

写真編集の基本は「控えめ」が正解です。ツールの効果を足し算的に強調するのではなく、引き算の美学でバランスを整えましょう。
各効果の調整は「やりすぎたかも?」と感じたら、必ず半分くらいに戻すことを習慣にすると失敗を防げます。

まとめ:自然で説得力のある写真を目指そう

レタッチは「写真に魔法をかける」作業です。しかし、やりすぎはすぐに写真の説得力を失わせます。
今回紹介した失敗例と修正方法を意識することで、自然で魅力的な写真に仕上げることができます。
ツールを使いこなすことも大切ですが、「どこまで手を加えるか」という判断力を養うのが上達への近道です。

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