カラーグレーディングとは?
カラーグレーディングとは、写真や動画の色調整によって印象や雰囲気を作り出す技術です。
露出やコントラストを整えた後、「どんな雰囲気に仕上げるか?」を決める最終段階の作業といえます。
映画、ドラマ、Instagramでもカラーグレーディングのテクニックが多用されています。
カラーグレーディングとカラーコレクションの違い
カラーコレクション:撮影時の色のズレや明るさを修正し、自然な状態に戻す工程。
カラーグレーディング:意図的に色味を演出し、雰囲気や感情を加える工程。
まずカラーコレクションで正しい色に補正し、その後カラーグレーディングで理想の世界観を作ります。
雰囲気を作る基本テクニック
① 色相・彩度・輝度(HSL)の調整
色相(Hue):色の種類(例:青をターコイズ寄りに、オレンジを赤寄りに)。
彩度(Saturation):色の鮮やかさ。彩度を下げると落ち着いた印象に。
輝度(Luminance):色の明るさ。特定の色を明るく/暗くして印象を調整。
② トーンカーブの活用
トーンカーブを使えば明暗のコントラストと色味を同時に調整できます。
例えば、シャドウ(暗部)をやや青寄りに、ハイライト(明部)を黄色寄りに設定すると映画風の雰囲気に。
③ カラーグレーディングホイール
多くの編集ソフトにはカラーグレーディングホイール(カラーホイール)が用意されています。
ホイールを使うと、シャドウ・中間調・ハイライトそれぞれに色を付けることができます。
- シャドウ:クールな青/ティール系 → シネマティックな印象
- 中間調:自然なトーンまたは意図的に色味追加
- ハイライト:ウォームトーン(暖色系) → 柔らかい印象
よく使われるカラーグレーディングのスタイル
映画風(シネマティック)
- シャドウにティール系(青緑)
- ハイライトにオレンジ系
- コントラストはやや強め
フィルム風
- 彩度をやや控えめに
- シャドウを持ち上げてフェード感を出す
- グリーンやマゼンタを軽く追加しレトロ感を演出
ナチュラル・エアリー
- ハイライトを明るめに
- 彩度は自然に保つ
- 青や緑のトーンを柔らかく調整
LightroomやSnapseedでの実践方法
Lightroom(デスクトップ・モバイル)
- ライト:露出・コントラスト調整
- カラー:HSLと色温度
- カラーグレーディングホイール:シャドウ・中間調・ハイライトに色追加
- トーンカーブ:明暗の細かな調整
Snapseed
- 画像調整:明るさ・コントラスト・彩度を設定
- カーブ:トーンカーブによる色味調整
- ツール → ホワイトバランス:色温度と色かぶり補正
やりすぎに注意!自然なグレーディングのコツ
- 色味は思ったより控えめに設定する
- 編集前と比較して違和感がないか必ず確認
- 特定の色だけ極端に変えすぎない
まとめ:色で写真の「物語」を作ろう
カラーグレーディングは、単なる色調整ではありません。
写真や動画に「物語」や「感情」を与える作業です。
HSL、トーンカーブ、カラーホイールなどの基本操作を覚えれば、自分だけの世界観を自由に表現できるようになります。
まずは少しずつ試しながら、自分の好みのスタイルを探ってみましょう。