「ズームができないレンズって不便じゃないの?」
そう思う方もいるかもしれません。でも実は、単焦点レンズ(たんしょうてん)は写真好きからプロのカメラマンまで、幅広い層に支持されている人気のレンズです。
この記事では、単焦点レンズの魅力をわかりやすく解説しながら、初心者が次に選ぶ1本としてなぜおすすめなのかを具体的にご紹介していきます。
単焦点レンズとは?
単焦点レンズとは、焦点距離が固定されているレンズのことです。ズームレンズのように焦点距離を変えることはできず、写真を拡大・縮小したい場合は、自分の足で前後に動く必要があります。
例)50mm F1.8、35mm F2など
焦点距離の一例(フルサイズ換算)
- 24mm〜35mm:スナップ、街歩き、風景
- 50mm:標準、ポートレート、日常撮影
- 85mm〜135mm:ポートレート、物撮り、圧縮効果
なぜ単焦点レンズが人気なのか?
ズームができないのに、なぜ多くの人が単焦点を選ぶのでしょうか?そこには「写真表現を豊かにする魅力」が詰まっています。
1. 背景がふんわりボケる
単焦点レンズはF値が小さい=明るいレンズが多く、背景を大きくぼかすことができます。
- キットレンズ(F3.5-5.6)に比べて、F1.8〜F2.0の単焦点は大きくボケる
- ポートレートや料理、カフェ写真に最適
- 被写体を引き立たせ、プロっぽい仕上がりに
2. 暗い場所でもきれいに撮れる
F値が小さい=光をたくさん取り込めるため、室内や夜の撮影にも強いです。
ISO感度を上げすぎずに撮れるので、ノイズも少なくなります。
3. コンパクトで軽い
ズーム機構がない分、レンズ自体が小さくて軽量。日常使いや旅先でのスナップに最適です。
- バッグに入れてもかさばらない
- カメラが軽くなって持ち出しやすくなる
4. 写真の「引き算」が学べる
ズームができないからこそ、自分で動いて構図を考える習慣が身につきます。
最初は不便に感じるかもしれませんが、次第に「写真の引き算=何を写すか」を意識できるようになります。
初心者におすすめの単焦点レンズ
価格が比較的リーズナブルなモデルが多いのも、単焦点レンズの魅力のひとつ。以下に、初心者でも使いやすい単焦点レンズをご紹介します。
■ 50mm(標準)
- Canon RF 50mm F1.8 STM
- Sony FE 50mm F1.8
- Nikon Z 50mm F1.8 S
「撒き餌レンズ」とも呼ばれる、定番の1本。価格も手ごろで初めての単焦点に最適です。
■ 35mm(準広角)
- Canon RF 35mm F1.8 MACRO IS STM
- Sony FE 35mm F1.8
- Fujifilm XF 35mm F2 R WR
スナップ・風景・料理などオールラウンドに活躍する1本。APS-Cでは標準画角に近くなります。
■ 85mm(中望遠)
- Canon RF 85mm F2 MACRO IS STM
- Sony FE 85mm F1.8
- Nikon Z 85mm F1.8 S
ポートレート向き。圧縮効果と美しいボケ味が楽しめる本格レンズ。
単焦点レンズで撮影してみたいシーン
- カフェでの一杯のコーヒー
- 子どもやペットの表情
- 花や雑貨などの近接撮影
- スナップ写真や散歩の記録
「日常の何気ない1枚が、グッと雰囲気ある写真になる」──そんな体験が、単焦点レンズなら味わえます。
ズームとの使い分けがおすすめ
単焦点とズーム、どちらが優れているというわけではありません。それぞれの特性を理解して、シーンに応じて使い分けるのがベストです。
- ズーム:構図の自由度が高く、イベントや旅行に便利
- 単焦点:被写体に集中できて、印象的な写真が撮れる
「今日はじっくり撮影したい」というときは、あえて単焦点だけを持って出かけてみるのもおすすめです。
まとめ:単焦点レンズで写真の楽しさを再発見しよう
ズームができないという制限の中にこそ、写真の面白さがあります。単焦点レンズは、初心者が一歩ステップアップするのに最適なレンズです。
背景をボカしたい。軽いレンズで日常を気軽に撮りたい。もっと写真が上手くなりたい──そんな思いが芽生えたとき、ぜひ単焦点レンズを試してみてください。
ShutterSparkでは、これからもあなたのカメラライフを応援する情報を発信していきます。次の1本に、単焦点はいかがですか?