一眼カメラや高機能なコンデジを使い始めると、ダイヤルやメニューに「P」「A」「S」「M」といった表示を見かけることがあります。
これらは撮影モード(露出モード)と呼ばれ、カメラがどこまで自動で設定するか、どこを自分で決めるかを選ぶためのものです。
この記事では、P・A・S・Mモードの違いと使い分けのポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
P・A・S・Mとは何の略?
それぞれのモードは以下の英単語の頭文字です:
- P:Program(プログラムオート)
- A(Av):Aperture Priority(絞り優先)
- S(Tv):Shutter Priority(シャッター優先)
- M:Manual(マニュアル露出)
モードを切り替えることで、自分が重視したい撮影スタイルに合わせた設定ができるようになります。
Pモード(プログラムオート)
Pモードは、カメラが絞り(F値)とシャッタースピードを自動で決めてくれるモードです。
初心者にとっては「とりあえずこれで撮れば失敗が少ない」という安心感のあるモードですが、ISO感度やホワイトバランスなどは自分で変更できます。
- ✅ 明るさや被写体をあまり気にせず、スナップ感覚で撮影できる
- ❗ 背景のボケ具合などを細かくコントロールするのは難しい
A(Av)モード(絞り優先)
Aモード(Avモード)は、自分で絞り(F値)を設定し、シャッタースピードはカメラが自動で調整してくれるモードです。
ボケ感をコントロールしたいときに最適で、ポートレートやテーブルフォトによく使われます。
- ✅ 背景をぼかしたい、全体にピントを合わせたいなど意図を反映しやすい
- ❗ シャッタースピードが遅くなりすぎるとブレる可能性がある(暗所など)
F値が小さい(F1.8など)ほど背景がボケ、大きい(F8など)ほど全体にピントが合います。
S(Tv)モード(シャッター優先)
Sモード(またはTvモード)は、自分でシャッタースピードを設定し、絞り(F値)はカメラ任せにするモードです。
動く被写体をブレずに撮る、あるいはあえて動感を残したいときに使われます。
- ✅ 子ども・ペット・スポーツなど、動くものをしっかり写すのに便利
- ❗ シャッタースピードを速くしすぎると暗くなりがち
1/1000秒など速くすれば動きを止め、1/15秒など遅くすればブレ感や光の軌跡を写せます。
Mモード(マニュアル露出)
Mモードは、絞りもシャッタースピードも自分で設定する完全マニュアルのモードです。
撮影環境が安定しているスタジオや、星空・夜景のような特殊なシーン、または意図的な撮影表現に使われます。
- ✅ 撮影設定を自分で完全にコントロールできる
- ❗ 慣れるまでは露出の失敗が起こりやすい
初心者でも、P・A・Sに慣れたらぜひ挑戦してみたいモードです。
初心者におすすめの順番は?
最初におすすめなのはPモード、次にAモード(絞り優先)です。
- ● Pモード → 撮ることに慣れる、ISOやWBの調整にも慣れる
- ● Aモード → ボケ感をコントロールして写真の雰囲気を学ぶ
- ● Sモード → 動く被写体への対応力を身につける
- ● Mモード → 光や表現を自分でコントロールする力を養う
使いこなすというよりも、「目的に応じて選ぶ感覚」を身につけるのが大切です。
まとめ:モードの違いを知ると写真が変わる
P・A・S・Mモードは、写真の仕上がりに直接関わる大切な設定です。
- Pモード:カメラに任せて気軽に撮影
- Aモード:ボケやピントをコントロールしたいときに
- Sモード:動くものを撮る、ブレを防ぎたいときに
- Mモード:自分の意図で完全に設定したいときに
まずはPやAモードから使ってみて、写真がどう変わるかを感じてみましょう。
操作に慣れてくると、写真がぐっと楽しくなりますよ。