絞り(F値)とは?ボケと明るさの仕組みをやさしく解説

カメラの基本
この記事は約3分で読めます。

写真を撮るとき、「背景がふんわりとボケて、主役だけが際立って見える」——そんな写真に憧れたことはありませんか?

その表現を左右する大切な設定のひとつが絞り(F値)です。

この記事では、F値が写真にどんな影響を与えるのか、初心者の方にもわかりやすく解説します。ボケ感や明るさとの関係を理解すれば、いつもの写真が少しだけ洗練されて見えるかもしれません。

絞り(F値)ってなに?

カメラの「絞り」とは、レンズの中にある光の通り道の大きさを調整する仕組みのことです。

この光の通り道の大きさは、円のような「羽根」で開閉されていて、その開き具合を数値で表したものがF値(エフち)です。

F値が小さいほど絞りが大きく開き、たくさんの光がカメラ内部に入ります。逆に、F値が大きくなると絞りが閉じ、光の量が少なくなります。

たとえば、F1.8は大きく開いた状態で、F11はかなり絞った状態です。

F値と「背景のボケ」の関係

F値の調整は、背景のボケ具合に大きな影響を与えます。

  • F値が小さい(例:F1.8、F2.8)
    背景が大きくボケて、被写体がくっきりと浮き上がります。人物や小物の撮影に最適です。
  • F値が大きい(例:F8、F11)
    背景までピントが合いやすくなり、風景や建物など全体をくっきり写したいときに向いています。

例えるなら、F値が小さいと「主役だけにスポットライトが当たる」ような印象になります。背景がぼけていると、見る人の視線が自然と主役に集まるんですね。

また、F値だけでなく「被写体との距離」や「背景との距離」もボケ感に影響します。ですが、F値を変えるだけでも十分に変化が感じられるので、まずはその効果を試してみるのがおすすめです。

F値と明るさ(露出)の関係

絞りは、写真の明るさ(露出)にも関わっています。

  • F値が小さい → 絞りが開く → 光がたくさん入る → 明るい写真になる
  • F値が大きい → 絞りが閉じる → 光が少なくなる → 暗い写真になる

たとえば、室内や夕暮れなど光の少ない場所で撮影するとき、F1.8やF2.0のような明るいレンズが活躍します。

逆に、F8やF11といった設定は、晴れた屋外で使うと白飛びしやすくなるので注意が必要です。明るさが足りない場合は、ISO感度やシャッタースピードとのバランスも考える必要があります。

F値はどうやって変えるの?

カメラの撮影モードをA(Av)モードまたはMモードにすることで、F値を手動で調整できます。

  • Aモード(絞り優先):自分でF値を決めると、カメラがシャッタースピードを自動で調整してくれる。
  • Mモード(マニュアル):F値もシャッタースピードも自分で設定する。

初心者の方には、まずはAモードでF値を変えて撮ってみるのがオススメです。

同じ被写体をF1.8・F4・F8などで撮り比べてみると、背景のボケや写真全体の明るさがどのように変化するか、体感として理解できるはずです。

F値に関するよくある疑問

Q:F値が小さいレンズって何がいいの?

F値が小さいレンズ(例:F1.4、F1.8)は「明るいレンズ」と呼ばれます。暗所に強く、背景を大きくぼかせるので、表現の幅が広がります。

Q:ボケればいい写真ってわけじゃない?

そうです。ボケを強調しすぎると、伝えたい要素がわかりにくくなることも。背景も大切な要素なら、F値を上げて全体にピントを合わせることも必要です。

Q:スマホカメラでもF値は変えられるの?

一部の高機能スマホでは、擬似的にF値を変える機能が搭載されています。ただし、光学的な絞りとは仕組みが異なることもあります。

まとめ:F値を知ると写真がもっと楽しくなる

絞り(F値)は、写真の「印象」や「雰囲気」を大きく左右する重要な要素です。

  • F値が小さい → 背景が大きくボケる、写真が明るくなる
  • F値が大きい → 全体にピントが合う、写真が暗くなる

まずはAモードでF値を調整して、背景のボケ具合や明るさの違いを試してみてください。自分の表現に合ったF値の感覚が身につくと、写真の楽しさがぐっと広がりますよ。

タイトルとURLをコピーしました